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蛇を刻んで干して、干し魚として売る女

 皇太子の警護を勤める舎人たちの詰所に干した魚の切り身を売りに来る女がいた。切り身は中々美味であった。
 ある日、舎人たちが北野に鷹狩に出かけた折にその女に出会った。妙な所にいるものだと思って近寄ってみると、大きな竹篭と木の枝をもっている。何が入っているか見ようとすると、女が見せまいとするので余計怪しんで奪ってみると、ぶつぶつに切られた蛇が入っている。木の枝で藪の中を騒がせ、出てきた蛇を打ち殺して、切り刻んでいた。それに塩をふって干したものを魚と偽って売っていたのだ。(太刀帯の陣に魚を売りし嫗の語 第31)
 この女は、芥川が「羅生門」の中で、死んだ女として使っている。原本の「羅城門の死人」(巻29第18語)では、死人は老婆の女主人である。
 私にも似た思い出がある。大須の境内にマムシの蒲焼を食べさせる店があった。小学校の頃だと思う。親戚の大学生が蒲焼を食べさせてやるといって、その店に連れて行ってくれた。こってりとたれをつけてられていて、おいしかった。私が本物の蒲焼を食べたのは、ずっと後で、マムシの蒲焼をうなぎの蒲焼と思って食べたのか、それまで蒲焼というのはマムシの蒲焼のことだと思っていたのか、定かでない。
by kimagurebito | 2006-10-24 23:03 | Comments(1)
Commented by Log at 2024-05-13 20:39
昔は大きな川の周辺は葦が生い茂っていて、蛇屋、後には豚から油を取る工場、蛇屋の前は斬首をする刑場があり、橋の欄干にはずらっと頭を晒していたそうで、荒涼かつ、すごい臭いがする一帯だったそうだ。


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