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 哲学上の「恐れ」

 筒井康隆がハイデガーの「存在と時間」について書いていて、哲学には厳密な定義が必要である事を学んだと言い、例として「恐れ」をあげている。これがなかなか面白い。
 3種類ある。
 知っているものが突如性を伴って出現した時は、「驚愕」
 見知らぬものが徐々に近づいてくる場合は「戦慄」
 見知らぬものが突如性を伴って出現した時は「仰天」

 突如性などという言葉の使い方にも笑ってしまうが、こうやって違いを明らかにしてもらうとなるほどと思う。この種の面白さでは定評がある明解国語辞典もこの解釈の前には形無しである。明解の訳は次のようになっている。
 驚愕:非常に驚くという意味の漢語的表現
 戦慄:怖さの為に震える事
 仰天:意外な事に出会って、非常に驚いたり、あわてたりすること

 英語ではどう違うのだろう。和英辞典で見ると
 驚愕:astonishment,amazement,alarm,shock
戦慄:shiver,shudder,thrill
仰天:be amazed,be thunderstruck,be taken aback

 原典ではどうなっているのかが知りたいが、手元にないし、どの部分に述べられているのかもわからないし、そこまでの探究心がわかない。それより、この三つの言葉を端的に表す小話でもあったら面白いなあ、更には、そういう辞書を誰か作らないかなあと思う。水木しげるの妖怪漫画でもいい。
by kimagurebito | 2010-07-25 10:36 | Comments(0)


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