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 天白川源流を探る 8

 天白川の源流をつきとめたと思っての帰り際、それが全くの勘違いであった事に気が付いた。川が曲がって急に細くなったと思ったところは、実は二つに分かれ、私が辿った川は本当に支流の小川に過ぎなかった。(昔は牧野ヶ池の方までつながっていたのかもしれないが)下流からは草が茂って見落としてしまったが、もう一方の方がどうみても大きい。地図を見たらこちらが天白川でまだ先がある。がっかりしたのとあんな終わり方でなくてよかったというほっとした気持ちが入り混じって、日にちを変えて仕切りなおしにすることにした。
 仕切りなおしの日は、飯田街道の探索を兼ねて、原から浅田まで58号線を走ったが、史跡らしいものは何もない。219号線を通って川の右を走る。小川との分岐点にもう一度たどり着いて、こんどは右側の川を上る。
 天白川源流を探る 8_c0040775_1681846.jpg

 又川が分かれるが、今度はどちらも甲乙つけがたい。左が岩崎川であることを地図を確かめ、右の川添いを走る。道路の真ん中に赤とんぼやかまきりが佇んだまま、動こうとしない。舗装もしてあるが、車も自転車も或いは人だってめったに通らないようだ。
 58号線を横切り、米野木を過ぎ、東名高速道路の下をくぐって、又58号線を横切って、あぜ道のような道の先に名商大のキャンパスが広がり、脇に池がある。三峯だ。川は池に向ってというより、池の脇を通って、キャンパスの下にもぐりこんでしまっているが、それ以上は確かめる事ができない。今回も源流にしては、なんともすっきりしない。
 今度こそは間違えないようにと出発前に調べていて、私と同じように天白川の源流まで自転車で走った若者の記事があって、そのコピーを取り出してみた。源流はここではなくて、もう少し北の湿地帯だと書いている。う~ん?
 記事が示すまま、あぜ道ではなく、58号線をローソンまで西に戻り、山の中を走る南北の道を北に向かう。一山越え、降りきったところがT字路になっている。記事の通りだ。湿地帯は東側の山の中で、車は通れないが、自転車は自転車は通れたようだが、有刺鉄線が張り巡らされて、人も通れない。迷っていると、見回り(?)のおじさんがやってきて、不審そうな顔で私を見つめる。弁解も兼ねて、源流のことを尋ねると、いとも簡単に有刺鉄線の脇の小道を教えてくれる。そこからなら別に構わないようだ。
 自転車を降りて、藪をかき分けて進んでいくと、小さな池があって、「魚、子育て中」という看板がある。なるほど地元に人はここは入ってもいいわけだ。更に道を分け入ると左に小川が現れ、
次第に細く、浅くやがては湿地の中から染み出る程度の水の流れとなる。うん、これぞ、源流。 天白川源流を探る 8_c0040775_1691553.jpg
 すっかり満足して表通りに出たものの、ただひっかかるのは、キャンパスの方に向った川が一山越えて、この源流までたどり着くというのは如何にも不自然だ。この源流を逆に辿ってみる事にした。小川は道路に隔てられ、一旦は消えるが来た道と反対の方向で顔を出す。あたりには、「守ろう丘陵」という黄色い旗が林立している。帰ってから調べた所によると、このあたりはやはり天白川の源流で、保安林として守られていたらしい。それが、粘土採掘のために保安林解除されるらしい。有刺鉄線は、すでに開発が進められようとしている事を示しているのであろうか。天白川も危ない。
 川は次第に形を整え、行きと似た景色になって、やっぱり天白川かと、どこでどうなったのかと、それにしても景色は少し違う気もする、こちらの方が山際でもっと美しいなどと思っているうちに一気に悩みが氷解した。岩崎川だ。あれは、正確には岩崎川の源流なのだ。
 天白川の全貌がわかって、すっかりいい気分で帰ったが、天白川の行く末が心配だ。
by kimagurebito | 2008-11-25 16:11 | Comments(0)


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